建物明渡請求に必要な書類とは?

賃貸物件を貸している家主にとって、借主が家賃を滞納したり、契約期間が終了しても退去しない場合、建物明渡請求を行うことが必要になります。しかし、建物明渡請求訴訟をスムーズに進めるためには、必要な書類を適切に準備することが不可欠です(弊所でも取得可能です)。

本記事では、「建物明渡請求における必要書類」 について詳しく解説し、必要な書類の取得方法や注意点についても説明します。


目次

1. 建物明渡請求に必要な書類一覧

建物明渡請求を行うためには、以下の書類が必要になります。

書類名説明取得場所
不動産登記簿謄本
(登記事項証明書)
物件の所有者情報を証明する公的書類法務局(オンライン取得可)
建物賃貸借契約書借主との契約内容を証明する重要書類自身で保管
内容証明郵便契約解除の通知を借主に送った証拠郵便局(オンライン作成可)
固定資産評価額証明書訴額や手数料を算出するための書類市区町村役場
法人登記事項証明書家主または借主が法人の場合に必要法務局(オンライン取得可)
訴状裁判所に提出する建物明渡請求の正式な書類弁護士が作成可能
予納郵便切手裁判所が送付する書類の郵便切手各裁判所
収入印紙訴訟費用として必要な税金郵便局・コンビニ

2. 各書類の詳細と取得方法

① 不動産登記簿謄本(登記事項証明書)

この書類は、物件の所有者情報や権利関係を明確にするために必要です。法務局で取得でき、オンラインでも申請可能です。

取得方法:

  • 法務局窓口で申請
  • 「登記・供託オンライン申請システム」を利用し、オンライン取得(郵送受取可)

② 建物賃貸借契約書

賃貸借契約の内容を証明する最も重要な書類です。家主自身が保管していることが一般的ですが、紛失している場合は借主や不動産管理会社からコピーをもらうことも検討してください。

③ 内容証明郵便

建物明渡請求を行う前に、借主に対して「契約解除通知」を送ることが必要です。この通知を送った証拠として、内容証明郵便を郵便局で発行します。

取得方法:

  • 郵便局の窓口で作成・送付
  • e内容証明(日本郵便のオンラインサービス)で作成

④ 固定資産評価額証明書

訴訟費用や手数料を算出するために、物件の評価額を証明する書類です。物件所在地の市区町村役場で取得します。

⑤ 法人登記事項証明書(法人の場合のみ)

家主または借主が法人である場合、この証明書が必要になります。法務局で取得可能で、オンライン申請もできます。

取得方法:

  • 法務局窓口
  • 登記・供託オンライン申請システム

⑥ 訴状

建物明渡請求訴訟を裁判所に申し立てる際に提出する書類です。訴状の作成には法律的な知識が必要なため、弁護士に依頼することを推奨します。

⑦ 予納郵便切手

裁判所が訴訟に関する通知を送付するための切手で、裁判所ごとに必要な金額が異なります。詳細は各裁判所に確認してください。

⑧ 収入印紙

訴訟費用として必要で、金額は訴額によって変わります。郵便局やコンビニで購入できます。


3. 建物明渡請求の手続きをスムーズに進めるためのポイント

✔ 事実を正確に記載する

訴状や証拠書類には、曖昧な表現を避け、正確な情報を記載することが重要です。特に以下の点を明確にしましょう。

  • 賃貸契約の内容
  • 家賃の滞納状況
  • 督促の経緯

✔ 書類の法的要件を確認

裁判所が求める書式や内容に合致しているかを必ず確認しましょう。不備があると、訴訟手続きが遅れる原因になります。

✔ 早めに専門家に相談

必要書類を揃えるのは手間がかかるため、弁護士や司法書士に早めに相談し、訴訟準備を進めることをおすすめします。弁護士に依頼すれば、訴状作成から訴訟、強制執行までスムーズに進められます。


4. まとめ

建物明渡請求における必要書類を正しく準備することは、スムーズな訴訟進行の鍵となります。必要な書類を漏れなく揃え、訴訟手続きに備えましょう。

主な必要書類

  • 不動産登記簿謄本
  • 建物賃貸借契約書
  • 内容証明郵便
  • 固定資産評価額証明書
  • 訴状(弁護士に依頼推奨)

書類の取得先

  • 法務局
  • 郵便局
  • 市区町村役場
  • 裁判所

注意点

  • 訴状の書式や内容を裁判所の要件に合わせる
  • 事実を正確に記載
  • 必要に応じて弁護士に相談

書類の準備や手続きに不安がある場合は、早めに弁護士に相談し、スムーズな解決を目指しましょう。

この記事を書いた人

弁護士|注力分野:不動産・相続

琉球法律事務所の弁護士。不動産部門を率いる弁護士として沖縄の建物明渡や立ち退きの事件を解決してきた実績を持つ。宅地建物取引士の資格を有しており、琉球グループの不動産会社での不動産売買も行なっている。

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