不動産の立ち退き料について徹底解説!適正な金額と手続きのポイント

目次

立ち退き料とは?

立ち退き料とは、賃貸物件の貸主が借主に対して立ち退きを求める際に支払う金銭です。特に、貸主都合で立ち退きを求める場合、借主の同意を得るために一定額の立ち退き料が必要になるケースが多く見られます。


立ち退き料の支払いが必要な理由

賃貸物件の立ち退きに関しては、借地借家法により借主の権利が強く保護されています。貸主が契約更新を拒絶し、借主を立ち退かせるには、法律上「正当な事由」が必要となります。

【正当の事由の判断基準】

  • 貸主・借主双方の使用必要性
  • 物件の経過状況
  • 物件の利用状況
  • 貸主による立ち退き料の提示額

貸主が借主を立ち退かせたい場合、これらの要素を考慮して「正当の事由」があると認められなければなりません。特に立ち退き料の支払いは、正当の事由を補完する重要な要素となります。


立ち退き料の相場

物件の種類によって立ち退き料の相場は異なります。

【居住用物件】

  • 賃料の6~12ヶ月分

【オフィス用物件】

  • 賃料の2年分~4年分

【店舗用物件】

  • 賃料の5年分~10年分

【所有地・持ち家(地上げの場合)】

  • 時価の1.5倍~2倍が目安

これらの金額はあくまで目安であり、借主の状況や交渉次第で変動することがあります。


立ち退き料が発生しないケース

立ち退き料が必ず発生するわけではなく、以下のケースでは支払いが不要となる場合があります。

  1. 立ち退き料を支払わない合意がある場合
  2. 契約違反による解除(債務不履行解除)の場合
  3. 定期賃貸借契約の期間満了

特に、賃料未払いなど借主に契約違反がある場合、貸主は正当の事由がなくても契約を解除できるため、立ち退き料の支払い義務が生じません。


立ち退き交渉から訴訟までの流れ

【1. 立ち退き交渉】

貸主と借主の間で直接交渉を行い、立ち退き料の金額や退去時期について合意を目指します。

【2. 民事調停】

交渉がまとまらない場合、簡易裁判所に民事調停を申し立て、調停委員を介して合意形成を図ります。

【3. 訴訟】

交渉・調停が決裂した場合、裁判所に訴訟を提起し、最終的に裁判所の判断に委ねます。判決が確定した後、借主が立ち退きを拒否する場合は、強制執行を申し立てることも可能です。


まとめ

立ち退き料の支払いは、借主の権利を保護するために法律で定められた重要なルールです。貸主としては、交渉をスムーズに進めるために適正な立ち退き料を準備し、正当の事由を確保することが重要です。一方で、借主は自らの権利を守るために、安易に合意せず、専門家のアドバイスを受けながら交渉を進めるべきでしょう。

もし、立ち退きに関するトラブルや疑問がある場合は、専門の弁護士に相談することをおすすめします。

この記事を書いた人

弁護士|注力分野:不動産・相続

琉球法律事務所の弁護士。不動産部門を率いる弁護士として沖縄の建物明渡や立ち退きの事件を解決してきた実績を持つ。宅地建物取引士の資格を有しており、琉球グループの不動産会社での不動産売買も行なっている。

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