賃料増額請求訴訟の訴額とは?家主が知っておくべきポイント

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賃料増額請求を考える家主の方へ

建物の賃貸借契約において、契約時の賃料が現在の市場相場と乖離している場合、家主として適正な賃料に見直すことは非常に重要です。しかし、借主が賃料の増額に応じない場合、最終的に賃料増額請求訴訟を提起する必要が出てきます。

この訴訟を起こす際、訴訟費用の基準となる「訴額」がどのように算定されるのかを把握しておくことは、適切な戦略を立てるうえで不可欠です。今回は賃料増額請求訴訟の訴額について詳しく解説します。

賃料増額請求訴訟の訴額の算定方法

賃料増額請求訴訟の訴額は、一般的に以下の計算式で算出されます。

訴額 = 月額賃料の増額分 ×(増額請求の意思表示から訴訟提起までの月数 + 12か月)

この計算式の根拠は、

  • 「賃料増減額確認請求訴訟の訴訟物は、口頭弁論終結時までの賃料額である」という裁判例(大阪高裁昭和49年12月16日判決)
  • 民事事件の一審の平均審理期間が約12か月であるという統計資料

といった要素に基づいています。

訴額が家主にとって重要な理由

1. 訴訟費用の負担額に影響する

訴額が決まると、それに応じた印紙代弁護士費用が発生します。適切な訴額を算出し、コストとリターンを考慮したうえで訴訟を進めることが重要です。

2. 増額請求の戦略を立てる基準となる

訴訟に至る前に、賃料増額の交渉を行うことが一般的ですが、交渉が決裂した場合には訴訟を見据えた対応が求められます。訴額の目安を知っておくことで、訴訟提起をするか否かの判断材料になります。

3. 賃料改定後の安定収入の確保

賃料増額請求は、一度成功すれば長期的な賃貸収入の増加につながります。適正な賃料で賃貸経営を行うことで、物件の価値を維持し、収益の安定化を図ることが可能です。

訴額に関する例外的な取り扱い

賃貸借契約の内容や物件の特性によっては、以下のような例外的な算定方法が適用されることもあります。

  • 目的不動産の価額の2分の1の額が低額な場合:訴額はこの額が基準となることがあります。
  • 裁判所による異なる取り扱い:各裁判所の運用が異なる場合もあるため、事前に管轄裁判所へ確認することが推奨されます。

家主が取るべきアクション

  1. 現在の賃料が適正かどうかを確認  まずは市場相場と比較し、現在の賃料が適正かどうかを見極めましょう。
  2. 借主との交渉を試みる  いきなり訴訟ではなく、まずは借主と増額交渉を行い、合意を目指します。
  3. 訴訟の準備を進める  交渉が決裂した場合は、賃料増額請求訴訟の訴額を適切に算出し、コストを考慮しながら訴訟の準備を進めましょう。

まとめ

賃料増額請求訴訟の訴額は、家主にとって重要な判断材料です。適切に計算し、交渉や訴訟の戦略を立てることで、賃貸経営の収益最大化を図ることができます。

賃料増額に関する法的アドバイスが必要な場合は、賃貸経営に強い弁護士へご相談ください。

この記事を書いた人

弁護士|注力分野:不動産・相続

琉球法律事務所の弁護士。不動産部門を率いる弁護士として沖縄の建物明渡や立ち退きの事件を解決してきた実績を持つ。宅地建物取引士の資格を有しており、琉球グループの不動産会社での不動産売買も行なっている。

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