賃料未払と遅延損害金について詳しく解説

賃貸借契約における「賃料未払」と「遅延損害金」は、不動産オーナーや賃貸人にとって重要なポイントです。本記事では、遅延損害金がどのように計算され、どのような対策が考えられるかを詳しく解説します。


目次

1. 賃料未払がもたらす影響

賃料の支払いが遅れると、賃貸人は本来受け取るべき収益が確保できず、運用資金の不足や事業運営に影響を与える可能性があります。そのため、賃貸借契約では、支払い遅延時に遅延損害金を請求する条項を設けるのが一般的です。

遅延損害金は、支払遅滞による損失補填として賃借人に課される金銭的なペナルティであり、一定の利率に基づいて計算されます。


2. 遅延損害金とは?

遅延損害金とは、金銭債務の履行遅滞により発生する損害を賠償するために、遅滞期間に応じて請求される金額です。計算の基礎となる利率には、以下の2種類があります。

  • 法定利率: 民法で定められた利率(現在は年3%、3年ごとに見直し)。
  • 約定利率: 賃貸借契約書で当事者間が合意した利率(通常、法定利率より高めに設定)。

約定利率が設定されている場合、法定利率よりも優先して適用されます。たとえば、賃貸借契約書に「遅延損害金の利率を年14.6%とする」と記載されていれば、その利率が適用されます。


3. 遅延損害金の必要性と活用方法

賃料未払が発生した場合、賃貸人はすぐに賃借人に物件の明け渡しを求めることはできません。裁判での判決を経た後でも、強制執行を要する場合があります。これには弁護士費用や執行費用など、賃貸人の負担が増える要因が多く含まれます。

そのため、賃料滞納に対する抑止策として、遅延損害金を活用することが重要です。高額な遅延損害金が発生することで、賃借人が自主的に退去を選択する可能性が高まります。


4. 遅延損害金条項の設定ポイント

賃貸借契約書に遅延損害金条項を明記することで、未払賃料への対応力を強化できます。以下は一般的な条項例です。

(遅延損害金)第○条
賃借人が賃料、共益費その他の金銭債務を支払期日までに履行しなかった場合、賃貸人に対し、遅滞した日から支払い済みまで、未払額に対して年14.6%の割合による遅延損害金を支払わなければならない。

ただし、利率を過度に高く設定すると、公序良俗違反として無効とされる可能性があります。裁判例では、年18.25%が適切とされたケースもありますが、条項設定時には慎重な検討が必要です。


5. 最後に

賃料未払や遅延損害金についてお困りの方は、一度ご相談ください。当事務所では、不動産トラブルに精通した弁護士が、契約内容の見直しや具体的な対応策の提案を行っています。

「賃料未払 遅延損害金」の問題解決を目指し、不動産オーナーを全力でサポートします。

この記事を書いた人

弁護士|注力分野:不動産・相続

琉球法律事務所の弁護士。不動産部門を率いる弁護士として沖縄の建物明渡や立ち退きの事件を解決してきた実績を持つ。宅地建物取引士の資格を有しており、琉球グループの不動産会社での不動産売買も行なっている。

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